医薬品や生薬の容れ物として作られたアポテカリーボトル。
形代にガラスを吹き込むことで大まかなシルエットを整える型吹き成型技法を使用しつつ仕上げられた手吹きガラスのボトル。
そのためよく見ると若干斜め傾ぎに立っています。
ラベルには日付(判読不能)と「生理食塩水」の記載と合わせて(おそらく)塩分濃度が書かれています。
中身の溶液が揮発するのを低減するために、気密性が高く重量があるプレスガラス製の蓋が使われています。
この蓋に二か所削げたような大きな欠けがありますが、刃を研ぎ落とす為に丸めてあります。(画像3・4・9枚目参照)
また、白っぽい曇りが内部表面に出ていますが、これは入っていた溶液の成分がガラス入り込んだ状態ですので、汚れではありません。
この白い曇り一部には「銀化」の前兆があり、ボトルの底と肩周りに光を当てると鮮やかな金属色の反射光を見ることができます。(画像5・6・7枚目参照)