この美しいフルーツ柄のプレートは、ドイツのフッチェンロイター・ホーエンベルク製。
カルル・マグヌス・フッチェンロイターが1814年バイエルン地方ホーエンベルクに設立した窯です。
絵付工房としてスタートしましたが、近くで白磁の原料となるカオリンが発見され、磁器工場も設立。
しかし当時バイエルン地方にはニュルンベルク王立窯があり、政府はその競合となる民間企業を認めようとはしませんでした。
カルル・マグヌスは粘り強く交渉し、ようやく1822年ドイツ初の民間工房として認可されました。
1845年カルル・マグヌスの死後、妻と2人の息子が跡を継ぎますが、1857年息子のローレンツがバイエルン地方ゼルプに別の磁器工場を設立。
1969年にゼルプとホーエンベルクの磁器工場が合併し、フッチェンロイターAGゼルプとなりました。
2000年ローゼンタールの傘下に入りましたが、創業以来、「人間の手に勝る技術・機械は存在しない」という信念に基づき、高品質な製品作りを続けています。
こちらは20世紀初頭、ホーエンベルク工場で作られたプレートです。
まず目に飛び込んでくるのは、美しいフルーツの絵。
描かれているのは、りんごとプルーン、房状になったホワイトカラント。
ふっくらとした果実、果実の表面の複雑な色合いやいびつな枝の表現など絵画のような仕上がりです。
この絵は手描きではないのですが、リトグラフ(石版画)のように何度も色を塗り重ねたような丁寧な作りで奥行きのある質感が巧みに表現されています。
プレートの周囲はエンボス加工の美しい文様と金彩で縁取られ、豪華な雰囲気が漂います。
プレート裏は大きめのサイズをしっかり支える二重高台。
フッチェンロイター窯の誇る高品質の白磁に色彩豊かなフルーツが映える美しいプレートです。
ディスプレイ用のプレートとしてはもちろん、実際に食卓でもご利用になれます。
目立つ傷もなく状態は良好、おそらく大切に保管されてきたものと思われます。
プレート裏にマークが入っています。
※電子レンジ、食器洗浄機不可