19世紀末~20世紀初頭ドイツ製の変形皿。
”ディバイデッド(分割)・ディッシュ”と呼ばれる食器の一種で、中央のセンターピース(Crayfish:ザリガニ)が持ち手も兼ねています。
センターピースの金属系ラスター釉薬と金彩、そして素地の白色に施された淡いピンク色とグリーンが調和し、瑞々しい印象を与えます。
制作したのは19世紀中期にドイツ帝国領シレジア※(現ポーランド)で創業した陶磁器工房カール・ティエルシュ社。同じくシレジアに拠点を持ちドイツ陶磁器産業を牽引したクリスター社や彼のKPMと並行して活躍していたメーカーです。
こちらは恐らくホテルなどで用いるサービング・ボウルとしてデザインされたお品。
同じ仕様で意匠違いのディバイデッド・ディッシュが多数生産されていたようですが、中でもザリガニをあしらったお品は定番だったようです※。